Architecture & Travel ・ 15 SEPT 2025
砂漠のモダニズム
Desert Modernism, Dubai
観光地としてのドバイの裏側で、静かに進む建築実験を追う。
ドバイの中心部から車で一時間、砂漠が広がる郊外に、コンクリートと現地産の砂岩を用いた実験住宅が点在するエリアがある。設計を手がけるのは、地元出身で欧州で学んだ若手建築家たちだ。
共通するのは、エアコンに頼りきらない設計思想。厚い壁と小さな開口部、中庭を介した通風計画によって、酷暑の中でも自然に近い温熱環境をつくり出そうとしている。これは近代化以前の湾岸建築の知恵への回帰でもある。
「派手な形をつくることは簡単です。難しいのは、気候と誠実に向き合う建築をつくること」と、案内してくれた建築家は語った。過剰な装飾から離れ、機能と気候から立ち上がる静かなモダニズム。そこには、日本の民家建築にも通じる合理性があった。