Fashion & Beauty ・ 18 FEB 2026
アバヤの再解釈
The Abaya, Reimagined
伝統的な衣装を現代のシルエットへ。ドーハで進むファッションの静かな革新。
アバヤは長らく「黒く、装飾を抑えた衣」として定義されてきた。しかしドーハを拠点とする若手デザイナーたちのアトリエを訪ねると、藍染めや墨色のグラデーション、着物の裁ち方を参照した非対称の裾など、新しい試みに満ちている。
あるデザイナーは、京都で見た羽織の重ね着に感銘を受け、アバヤの下に着るインナーレイヤーの構造を再設計したという。「宗教的な規範を守りながら、着る人の個性をどう表現するか。それは日本の着物文化が何百年もかけて答えを出してきた問いと同じです」。
パリコレクションのような派手さはない。だが生地の選定や縫製に注がれる集中力は、静かで揺るぎない。ここにも「引き算の美学」が息づいている。